ジャパネット高田社長に学ぶ「あなただけ」戦略
経済紙に載っていた、高田社長がカメラ店で働いていた時代の、面白い格言話があります。
ジャパネットたかた創業前、九州・平戸で、記念写真を撮影・販売していた高田社長は、どうすればもっと記念写真が売れるかを熟考していました。記念写真は、背景がよかろうが、構図が素敵だろうが、売れないときは売れない。それはなぜか。高田社長が出した結論はシンプルでした。
それは、「よい記念写真とは、自分の写りが良い写真」という結論。お客さまが記念写真を買うときの、最大の判断基準は、「自分はかっこよく、かわいく写っているか」というもの。どんなに全体がすばらしい記念写真でも、自分の写りが悪い記念写真は、お客さまにとって買う価値のない記念写真。
その真実に達した、高田社長は、撮影現場で、ひとりひとりのお客さまの、魅力・表情を引き出すことに尽力し、成功。見事、記念写真の売り上げを伸ばしたそうです。高田社長が非凡なのは、「よい記念写真とは何か?」という真理を見つけたことだけでなく、お客さまの素敵な表情を引き出せる、素晴らしいコミュニケーション能力を持っていたことでしょう。
現在、ジャパネットたかたの通販番組を見ていても、漠然と「全てのお客さま」に話しかけているのではなく、「あなただけ」に話しかけている、そんな番組センスをとても感じます。そして、全てのお客さまが「自分だけ」に話しかけられていると、感じているのなら、最高の状態でしょう。
高田社長の達した真実は、「写りが良い人の数だけ、写真が売れる」ということです。これは、多くの消費者を相手にビジネスを営んでいるビジネスパーソンにとっても、普遍的な教訓でしょう。実は、似たようなテクニックを、雑誌の世界でも頻繁に使っています。
そのテクニックとは、雑誌の「読者参加企画」です。一見よくある企画ですが、その効果は、絶大です。たとえばある特定のお客さまに、必ず雑誌を買ってもらうことも不可能ではありません。人は、自分の載っている雑誌は、どうしても気になるもの。まして、自分がとてもよく写っていれば、たいていのお客さまは、必ず掲載誌を買ってくれます。
店舗・企業でも、この「読者参加企画」と同じ効果を、フリーペーパーやパンフレットの制作で利用することが簡単にできます。それは、「顧客参加企画」という形です。
飲食店舗・美容院・工務店などで顧客アピールをする際は、ぜひ「お客さま」にフリーペーパー等に登場してもらいましょう。そして、できればとびきり素敵に「お客さま」を写真に写し、さらには、素敵なインタビュー記事を掲載するのもよいかもしれません。
きっと、作成されたフリーペーパー等に掲載されたお客さまは、「自分だけを特別扱いしてくれている」という印象を受け、御社への好感度をアップし、地域に、友人に、親戚に、御社・貴店の商品・サービスを宣伝してくれるでしょう。
フリーペーパー・パンフレットの制作企画で、この「顧客参加企画」は、とても便利に利用できます。たとえば、以下のような企画はいかがでしょう。
- ヘアサロンのお客さまモデルによる、流行スタイル紹介企画
- 飲食店舗のお客さまグループ紹介企画
- ハイセンスな施主の家を紹介する、デザイン住宅企画
- 重要得意先をインタビューして、御社の社内報で紹介する
上記のようにどんな業種でも「顧客参加企画」は、フリーペーパー等の制作に利用できます。
大事なお客さまを狙い撃ちして、御社とお客さまを結びつける、「顧客写真スナップ」・「お客さまインタビュー」等の「顧客参加企画」、ぜひご活用ください。